錫板装飾オーダーのご説明

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル

錫板装飾による手作りのテーブル、店舗什器、家具、壁板材

当工房でご用意する各種模様の錫板を選んで頂き、カスタムオーダーによるテーブル天板や什器、壁板材(ティンパネル)等の内装建築品の錫制作を承ります。
当工房ではどの模様をご選択されても、錫の素材性を活かした落ち着いた風合い、鈍い光沢の渋さの趣がある仕上がりになるよう制作しています。

≫施工例


表面模様

模様には、模様打ち用の専用金槌による数種の「打ち目模様」と、古ガラスのような緩い手作り感が残る「面出し光沢落し」があります。

〔打ち目模様〕

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
模様打ちと専用金槌
打ち目模様は、鋳込み錫板表面の被膜を剥ぎ、素地を出してから模様打ちをする場合や、鋳込み板の状態のまま模様打ちします。一打一打手作業で、様々な模様の専用の金鎚を打ち付けて、手作りの模様を付けます。


〔面出し光沢落し〕

錫板のキサゲ面出し
キサゲと面出し
打ち目模様の無い「面出し光沢落し」は、鋳込みによる板制作時に付く表面の被膜や不純物などを、錫工芸専用の「キサゲ」という刃物で剥ぎ落とし、錫の地肌を出します。
手作業のキサゲによる刃圧の跡はそのまま残し、古ガラスのような緩い表面です。長年の使用による小傷や経年変化による古色による味が、特に存在感となって表れる表情です。初めのうちは小傷が目立ちますが徐々に馴染んできます。

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
面出し光沢落し

〔破錫天板〕

ヒビ装飾デザインの錫テーブル
打ち目模様では、独自表現の「破錫(ヤブレスズ)」のヒビ、割れの景色を施し、アート性のある寂の天板作品として制作することも可能です。
ヒビのデザインのオーダーはお受け出来ません。空間を考慮した数種類のデザインからお選び頂きます。




各種模様

テーブル天板や壁のような、広い面積の錫板外装でご用意する模様です。仕上げの磨きは「光沢落し」になります。面積によっては他の打ち目模様をご用意することも可能です。
各種模様を選んで頂き、ご用意頂く基板(土台)に貼り付ける「カスタムオーダー品」となります。

錫の模様打ち
1. 梨地石目まだら模様


錫の模様打ち
2. 鎚目模様



錫の模様打ち
3. 鎚目まだら石目模様



錫の模様
4.面出し光沢落し




ひびデザインの錫のテーブル
5. ヒビ模様(+3.鎚目まだら石目模様)



経年変化

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
お使いの環境や使用法により差異は大きくありますが、長く使い込まれた錫天板の表面は小傷と共に酸化変色をし、その「古色」は独特の風合いを出します。錫と時間が作る自然の古色は人工では出せない質感と味があります。
当方では磨き直すことなく、そのままお使い頂くことをお勧めしています。あまり神経質にならずにエイジングのものとして使用される方が宜しいと思います。
又、錫地金の素材感の良さと時間による変化をお楽しみ頂きたいため、表面に樹脂等によるコーティングは施しておりません。錫そのものを時間と共にお楽しみ下さい。

※当方制作の物に関しては、有償にて可能な範囲で磨き直しも承っています。

接合

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル


秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
1枚が200㎜×200㎜以内の錫板を用い接合します。
打ち目模様の模様板の場合は、錫板同士を錫で共付け接合をする、デザイン化した「溶接跡風接合残し」となります。

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
接合跡無しの一枚化_丸い袖のテーブル天板

「面出し光沢落し」の無模様の場合は、共付け接合後に表面を剥ぎ取ることで、繋ぎ目の無い「一枚板化」も可能になります。

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
約200㎜×1400㎜の鎚目斑石目模様の錫寿司台カウンター
打ち目模様板の場合でも600㎜×600㎜以内や、短辺300㎜以内の長方形であれば、繋ぎ目の無い1枚板も可能です。ご相談ください。



工房での制作

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
18枚を共付け後にキサゲ掛けで接合跡を消し一枚板に

制作する1枚の錫板の大きさは200㎜×200㎜となります。伝統工法による手作りの錫板です。
板の厚みは壁材では2.2㎜-2.5㎜、テーブル天板では3.0㎜以上が適当と思われます。板厚は見えなくても厚みによる重厚さや安定性は感じられるものです。

工房での制作可能な大きさは、2200㎜×1000㎜以内となります。この大きさ以内で基板との接合作業も可能です。これ以上の大きさの場合は、工房で大きなパーツを作り、現場で接合をします。
※現場施工は関東内を基準にしています。当方が現場で接合しなくても、現場組み立てで済むデザインによっては、基板受け取りから工房作業で完成した遠方の例もございます。


部分変形

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
袖+基板による立ち上がり
テーブル縁等の立ち上がりは、緩やかなものであれば基板(土台)の形に錫板を曲げて合わせることで設けることも可能です。


現場施工

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
大パーツ搬入後の貼り付け接合

秦錫工房の錫テーブル、錫カウンターテーブル
大パーツ共付け接合後のキサゲ総掛け

※現場施工では、錫の共付け接合や磨きの性質上、粉塵の舞っていない状況での作業とさせて頂いています。

価格参考

「錫板の販売」のページの価格(3.5㎜厚)と下記各部制作料をご参考にして下さい。
他に現場施工費、現場施工に伴う経費、錫以外の接着剤等の材料費等も加算されます。
※錫板価格は変動します。
※ご予算に合わせ可能な範囲で考慮致します。
  • キサゲ面出し(200㎜×200㎜) 1,000円(税抜価格)
  • 模様打ち(200㎜×200㎜) 1,000円~2000円  ※模様により異なります。キサゲ掛け込み。
  • 光沢落としの仕上げ磨き(200㎜×200㎜) 700円
  • 溶接跡風共付け接合(200㎜) 1,000円
  • 縁などの定寸法カット〔ヤスリ調整〕(200㎜) 1,000円
  • 基板に合わせたカット〔ヤスリ調整〕(200㎜) 1,000円
  • 大パーツ(800㎜×600㎜)の土台との接着 3,000円
  • ヒビ入れ

備考

  • 土台となる基板は当工房では制作していません。当工房は錫制作と土台への貼り付け施工のみとなります。又、壁の場合は壁材の錫板制作のみとなります。 
  • ご契約は前払いとさせて頂いています。御見積りは無料です。
  • 当工房の錫板製法は古来より受け継がれる錫工芸の伝統技法です。
  • 現在のところ某企業による市場独占となっていますが、この錫板装飾は当方の方が古くから始めているもので、意匠登録(実登3232983)問題は関係なくご依頼できます。

ご依頼・お問合せ

制作中はお電話でのご対応が難しいため、下記フォームよりご連絡下さいますようお願い致します。
平日2日以内にご返信致します。